50肩?の症例

50肩?の症例をご紹介いたします。

女性 91歳 要介護1 室内つたい歩き

S:Subjective(主観的な内容、自覚症状)

右肩の痛みがある為に更衣、伝い歩き、デイサービスの歩行訓練時に平行棒を使用する時に大変である。

O:Objective(客観的な内容、他覚所見)

右肩関節20度位からの屈曲、外転で痛み。伸展も20°ほどで痛み。

炎症初見なし

ぺインフルアーク   60度までにも疼痛あり。
棘上・棘下筋テスト    (+)
ヤーガソン・スピードテスト  (+)
水平屈曲テスト  (+)

A:Assesment(考察、評価、判断)

上記テスト陽性を考慮して、上腕二頭筋長頭腱炎・腋窩神経障害を中心にローテーターカフの異常が考えられた。

P:Plan(計画、方針)

上記の筋肉を中心に小・大胸筋・大円筋・広背筋などを加えてマッサージを行って疼痛解消によるADL改善を目標にする。

週に2回(一回30分程度のマッサージ)の介入で痛みの消失と出現を繰り返し、半年後にはほぼ解消致しました。

時折、軽い痛みは出る日がありますが、施術後には消失しております。
デイサービスでの平行棒を使用しての歩行訓練は、ご自分で往復の数を増やして積極的に取り組まれております。
ベッド上での上下肢自動運動は以前から自主的に取り組まれており、ADLを保たれております。こちらの狙う筋肉の部位に対しても積極的なリアクションを頂戴して、大変勉強にもなっております。いつもありがとうございます。

高齢者の方の肩は不良姿勢由来の腋窩神経の絞扼が多いと感じます。

 

参考文献【運動器疾患の機能解剖学に基ずく評価と解釈】

 

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